奈良文化財研究所

セインズベリー研究所は、長年にわたり奈文研と共同で数々のプロジェクトを行ってきました。主要なプロジェクトの一つに奈文研の庄田慎矢博士が企画したIN-PACEセミナー・シリーズがあります。このシリーズでは、2015年から2016年にかけて英国と日本の異なる研究機関を会場として5回のセミナーを行いました。その目的は、セミナー・シリーズを通して、セインズベリー研究所、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院、ヨーク大学他の英国の参加研究機関と日本の奈文研とのネットワークを強化し、より大規模なプロジェクトに発展する共同学術研究への道筋をつけることでした。

また、セインズベリー研究所は、元奈良文化財研究所埋蔵文化財センター長の故松井章教授と共に研究活動を行ってきたことを名誉に思っています。故松井教授は研究所にとっての長年にわたる良き友であり、支援者でもありました。教授は、2011 年の東日本大震災直後に被災した歴史資料を救う「文化財救援」プロジェクトを指揮しました。また、日本の考古学を国際的に広めるためにも尽力されました。教授が中心となり、 国際交流基金による支援のもと、東日本大震災の後にロンドンの在英国日本大使館において災害による考古文化財の喪失に関する合同シンポジウムが開催されました。さらに、大和日英基金の支援により、学生が東北地方をはじめとする日本のその他の地域へ訪問するプロジェクトも実施されました。この学生による東北調査訪問は、研究所の元フェローであり、客員研究員の松田陽博士の引率で行われました。

奈文研とセインズベリー研究所の研究者の学術連携の成果として、2016年にはウェルナー・シュタインハウスとサイモン・ケイナーの共同編集による「Illustrated Companion to Japanese Archaeology」も出版されています。